【某駅】常連たちがこぞって頼む「タレ皮」の魔力。赤提灯に誘われて飛び込んだ老舗酒場

……はい、今18時ちょい前っすね。

駅前からちょっと外れたとこ。地方のこの時間帯、空気が一気に夜になる感じ、わりと好きなんすよね。
今日はもう完全にノープランで。

仕事終わりで、頭使う気ゼロ。
「なんか食って飲めればいい」くらい。
で、歩いてて、あ、ここまだ入ったことないなって店。

年季の入った赤提灯に誘われて

赤提灯出てて、ちょい年季入ってる感じ。
こういう店、入る前が一番迷うっすよね。
外から中、あんまり見えない。

でも曇ったガラス越しに、人影だけ見える。
あ、やってるな、って。
正直、「常連しかいなかったらどうしよ」って一瞬思うんすけど、今日はもう、えいやで。

意外と明るく落ち着く店内

ガラッ。
……お、意外と明るいっすね。
思ったより狭いけど、その分落ち着く。

カウンター6席くらい。奥にテーブル2つ。
「いらっしゃいませー!」
声、元気。あ、これだけでちょっと安心する。

「一人です」
「どうぞどうぞ、カウンター空いてますよ」
この”どうぞどうぞ”が自然なの、地味にポイント高い。慣れてる店だなって思う。

カウンター座る。木、傷多いけどベタついてない。
ここ大事っすね、ほんと。

とりあえず、「生でお願いします」。
もうこれは反射。

ビール来るまで、店内見る。壁の短冊メニュー、全部手書き。
字、ちょっと雑なのもあって、逆に信用できる。
おすすめのホワイトボード。煮込みある。焼き鳥、種類多い。
この時点で、「あ、今日は当たりかも」ってちょっと思う。

さて、何にしようかな

ビール来た。一口。
……っすね。うまいっすね、やっぱ。

「何か食べます?」
「あ、えーっと…」
ここで一瞬迷う。焼き鳥はいくとして、まず何からいくか。

「煮込みと、焼き鳥おまかせで3本ください」
「はいよ」
返事短くていい。変におすすめ語られないの、助かる。

常連たちの注文に違和感

ここで、ふと周り見る。
……あれ?
隣の一人客、向こうの2人組、あと今入ってきた客も。
全員、「焼き鳥、タレで。皮多めで」って言ってる。

……え? ちょっと待って。
焼き鳥って、塩派とタレ派、あるじゃないですか。
僕、基本は塩派なんすよ。素材の味わかるし、みたいな。
でも、この店、やたら全員タレ。しかも鳥皮。
これ、気になるな。

煮込み来る。一口。
……あ、これいい。甘すぎない。味噌くどくない。生姜ちょい効いてる。
普通にうまい。これでだいぶ評価上がる。

で、焼き鳥焼いてる音聞きながら、ずっとその「タレ皮」が頭に残る。

焼き鳥来た。ねぎま、皮、砂肝。全部塩。
普通にうまい。皮もカリッとしてる。悪くない。
……悪くないんだけど。

さっきから、周りの皿に乗ってるテカテカのタレ皮が視界に入ってくる。
なんか、「主役、そっちじゃない?」って言われてる気がする。

「タレ皮」という名の正解

で、ちょっと迷ったけど、言う。
「あの、すいません。皮、タレで一本追加できます?」
「あー、はいはい、もちろん」
この返事の軽さ。あ、これ絶対出るやつだ。

タレ皮来た。
見た目からして、タレ、重くない。照りはあるけど、ドロっとしてない。

一口。
……まじか。
え、うま。

あ、なるほど。これか。
タレ、甘いけどベタつかない。皮の脂、ちゃんと切れてる。炭じゃないのに、香ばしさある。
これ、「皮はタレ」って言われる理由、わかる。

思わず、「っすね……これ、うまいっすね」って独り言出る。
店主、ちょっと笑ってる。
「みんなそれ頼むでしょ?」
「っすね、見てて気になっちゃって」
「最初は塩頼む人多いんだけどね」

あー、やっぱり。完全にこの店の”入口”だった。
塩で様子見して、最後にタレ皮で落とす。
これ、知らないと一生気づかないやつ。

お会計

ハイボール頼む。
正直、このタレ皮だけでもう一杯いける。
刺身も頼むけど、今日は完全に主役、タレ皮。

他の客見ても、追加でまた皮頼んでる。
あ、これ名物だ。
派手な名前ついてないけど、「みんなが同じ注文してる」って、いちばん強い名物かもしれない。

最後、卵焼き頼むけど、頭の中はずっと、タレ皮。
会計して外出る。
寒いけど、ちょっとニヤける。

たぶん次来たら、最初から言う。
「皮、タレで何本かください」
それが自然な店。

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